アイロンパン完成までの道のり

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アイロンパンが今の完成形になるまで2年という月日がかかりました。
全体の大きさ、厚さを何ミリにするか、側面も同じ厚さで良いか、ハンドル部分はどうしたら持ちやすいか、など試行錯誤を繰り返しでした。


小さいフライパン、大きいフライパン、厚さも様々、ハンドル部分も色々形を変えて、たくさん試しました。
いくつも試作品を作り、やっと納得のいく大きさ、厚さにたどり着きました。

底の厚さ3mm
側面1.7mm
底厚3mmは熱が冷めにくい最小限の薄さ。
側面も3mmにしてしまうと重たくなりすぎるので、熱を入れても曲がらないギリギリまで薄く。それが1.7mm。
より曲がりにくくするため、側面の上部分は少し厚みを持たしてあります。
側面を指で挟み下から上にスーっとスライドさせるとその厚みの違いを感じられます。

ここまでも苦難はありましたが、ここからが鉄のフライパンとの戦いでした。

2歩進んで3歩も4歩も下がる感覚。
鉄も生きている。
このことを実感した月日でした。

どんな形のハンドルが良いかなかなか決まりませんでした。
いくつか試作品を作り、何人もの人に握ってもらいましたが、
これ良い!!とはならず。
難解な迷路に迷い込んだようにしばらく出口が見つかりませんでした。

ある日
良いハンドルないかな、、、と思い悩みながら、ふと目に入った愛車のポルシェ911。
911の曲線美を見てパッと頭に浮かんだ形が今の曲線の形。
急いでペンと紙を取り、デザインを書き起こしました。

鉄板を切りそれを熱してハンマーで叩いて形にし、パンに溶接した。
握った瞬間、これだ!と思った。

大きな1歩を踏み出せた気がした。

熱くなったフライパンをタオルで巻いてしっかり握れる太さ、オーブンにそのまま入れられ、オーブンから出すときに手に当たって火傷をしない長さ。

次は表面のコーティング。
アイロンパンの表面には鉄粉が吹きかけてあります。
そのためザラザラした手触りになっています。細かい点になっているため正しく使えば食材がくっつきにくくなります。

しかしこの鉄粉を吹きかけたことにより鉄がストレスを持ち、火にかけると曲がってしまいました。

どうやったらストレスをなくすことができるか。

300度の炉の中に30分入れてストレスをなくす。
200度で10分でも駄目。20分でも駄目。
300度で30分。
これをすることによってストレスがなくなり、火にかけても曲がらなくなりました。

こうして完成したアイロンパン。
アイロンパンを使ってくださる人が増え、アイロンパンのファンが増え、2歩進んで3歩も4歩も下がる日々も無駄ではなかったなと感じます。

鉄のこと、使う人のことを想って作られたフライパンが
“アイロンパン“です。

野菜を焼く。お肉を焼く。
味付けなしで一度食べてみてください。
フライパンでこんなに味が変わるんだ!と実感していただけます。